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精緻な切り出し損益は外部コンサルには作成できない | 押方移転価格会計事務所
- 2018.09.07
- 移転価格文書化

ローカルファイルを作成する過程において、海外子会社(または日本本社)の切り出し損益を作成することがあります。
切り出し損益とは海外子会社全体の損益計算書から日本本社との取引部分だけを切り出したもので、通常は営業利益まで算出します。
海外子会社の売上のうち日本本社への販売は30%だけで、残り70%は現地向けの販売であるような場合、海外子会社全体の利益率が高くても、それだけでは所得移転が生じているかどうかを判断できません。
現地向けのビジネスで高い利益を上げた結果であり、親子間取引の価格は適正水準かもしれないからです。
販管費を日本本社向けとそれ以外に区分する
営業利益まで算出しますので、売上原価と販管費を日本本社向けとそれ以外に区分する必要が生じます。
売上原価については、システムによって売上とのひも付けがしやすい場合もありますが、販管費は手作業で区分することになります。
販管費全体を売上比率で按分する方法が最も簡単ですので、それでも構わないのですが、やはり少し荒っぽい印象です。
独立企業間価格レンジ内に収まるかどうか微妙な場合は特にですが、販管費の明細を見て、日本本社向けに直課すべきものを直課し、残りを売上比率で按分する方がより精緻であることは間違いありません。
外部コンサルより企業自身が作った方が正確
ではそのような精度の高い切り出し損益を外部コンサルが作成できるかというと、限界があるでしょう。
精緻な切り出し損益を作るとは、例えば、
・Aさん、Fさん、Zさんは日本本社向けのビジネスに専念しているから3人の人件費を直課する
・C倉庫、E倉庫は日本本社向け専用に借りているから倉庫料を直課する
・機械D、機械Xは日本本社向け製品製造専用だから減価償却費を直課する
といった勘定科目の具体的な中身を精査するということです。
外部のコンサルが「Aさんが日本向けに専念しているかどうか」といったことまで把握することは難しいので、企業自身が作成した方が早くて正確です。
実際は費用対効果を考えながら金額の大きい科目について精査することになりますが、いずれにせよ企業自身が作成した方が早いでしょう。
ローカルファイルの作成を内製化することのメリットは、このようなところにも現れてくるということです。
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