自力で作れるようになるか専門家に任せるか

専門家の助言を受けながらローカルファイルを自ら作成・更新できるようになることを目的とする内製化支援と、専門家にローカルファイルを作ってもらい、完成した書類を納品してもらう外注作成の比較を行います。

ローカルファイルに関する知識の蓄積

内製化支援・・試行錯誤しながら作成していく中で、ローカルファイルの内容を十分に理解できる
外注作成・・専門家に丸投げしがちであるため、理解が不十分になる可能性がある

税務調査時の対応

内製化支援・・ローカルファイルの内容を理解しているので、税務当局への説明をしっかり行うことができる
外注作成・・理解が不十分である場合、税務当局からの質問に適切に回答できない可能性がある

文書化コスト

内製化支援・・次年度以降は自社で更新するため、専門家に支払うコストが発生しない
外注作成・・年度更新のたびにコストが発生する

企業サイドの労力

内製化支援・・ノウハウを蓄積するために自社で作業を行うので、一定の労力がかかる
外注作成・・専門家が作業を行うので労力はあまりかからない

海外寄附金対策

内製化支援・・個々の寄附金リスクについて個別に対策（当事務所の場合）
外注作成・・ローカルファイルの作成とは別物なので寄附金リスクが放置される可能性

グローバル企業としてのレベルアップを

両者には一長一短ありますが、中長期的に考えると、ローカルファイルの作成や海外寄附金リスクへの対応ノウハウを社内に蓄積していく方がいいと当事務所は考えています。

海外子会社サイドでも移転価格税制に関する指摘がありますので、日本本社がしっかりサポートできるようになることも重要です。

グローバルにビジネスを行っていくための知見のひとつとして、移転価格課税・海外寄附金課税に対応できる社内体制の構築を目指しましょう。

<この記事を書いた人＞
押方移転価格会計事務所　押方新一（公認会計士・税理士）

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