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ベトナムの移転価格税制 | 押方移転価格会計事務所

移転価格税制 ベトナム

<2024年1月25日編集>
近年、ベトナムの税務当局は移転価格課税に注力しています。2017年にはOECDのBEPS行動計画を踏まえた税制改正も行われました。2020年にはDecree132が公表され、文書化義務が免除されるケースの追加や、ALPレンジの範囲の修正(下位35%から上位25%)等が行われました。

移転価格税制の対象取引

出資関係が25%以上の国内外の企業、中長期債務額の50%超の依存関係がある企業、経営決定権の実質的支配関係がある企業との取引が移転価格税制の適用対象となります。また企業を支配する一定の個人との取引にも移転価格税制が適用されます。

移転価格算定方法

独立価格比準法、再販売価格基準法、原価基準法、利益比較法、利益分割法の中から最も適切な方法を選択することとされています。

移転価格ペナルティ

移転価格税制特有のペナルティはありませんが、一般税法規定により過少申告額の20%のペナルティ及び1日あたり0.05%(90日を超える場合は1日あたり0.07%)の利息が課されます。不正行為があった場合、ペナルティは100~300%になります。

移転価格更正の期限(時効)

10年間

文書化義務

下記のいずれかの基準を満たさない企業は、確定申告期限(決算日から90日)までにマスターファイル及びローカルファイルを作成し、税務調査時に税務当局からの要請があった場合は15日以内(15日間の延長可能)に提出しなければなりません。但しベトナム国内の関連者とのみ取引を行っていて、双方ともに税制優遇を受けておらず法人税率が同じ場合は文書化義務が免除されます。

・売上500億ドン未満かつ関連者間取引が300億ドン未満
・売上が2000億ドン未満でルーティン機能のみを果たし、無形資産の活用による収入がなく、EBIT(金利支払前税引前利益)÷売上高が次の基準を達成している(卸売業5%、製造業(manufacturing)10%、加工業(processing)15%)
・事前確認(APA)を締結している

ベトナム以外に所在する最終親会社が国別報告書を作成している場合、またはベトナムに最終親会社が所在しており、かつ、連結売上高が18兆ドン以上の場合は年度末から12ヶ月以内に国別報告書の提出も必要です。(ベトナム外の最終親会社からベトナム税務当局に国別報告書の情報が自動的提供される場合は不要)

使用言語

ベトナム語

事前確認(APA)及び相互協議

ユニラテラルAPA、バイラテラルAPA、多国間APAともに可能ですが、経験が積みあがるまでに時間を要すると思われます。相互協議の経験もほとんどなく、二重課税の排除は困難と思われます。

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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