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マレーシアの移転価格税制 | 押方移転価格会計事務所

移転価格税制 マレーシア

<2023年11月28日編集>
マレーシアにおいては2023年に移転価格新規則が公布されるなど、移転価格税制関連の法整備が進んできています。

移転価格税制の対象取引

実質的または形式的な支配関係がある企業間取引(国内取引含む)に移転価格税制が適用されます。支配関係にあるかどうかは、持ち分の過半数を有する場合などがあります。

移転価格算定方法

独立価格基準法、再販売価格基準法、原価基準法、取引単位利益法(営業利益法、利益分割法)、事務局長に許可された方法の中から最も適切な方法を適用します。
比較対象取引候補の上位62.5%から下位37.5%までの取引が独立企業間価格レンジとして認められ、当該レンジ内にない場合は中央値が独立企業間価格とされます。

移転価格ペナルティ

ローカルファイルの提出期限を守らなかった場合は1年度あたり2万~10万リンギットのペナルティ及び移転価格更正額の(最高)30%のペナルティ(ローカルファイルを作成していない場合は50%)が課されます。また6ヶ月以内の収監が行われる可能性もあります。

移転価格更正の期限(時効)

7年間

文書化義務

毎年、確定申告期限までに移転価格文書を作成(作成日を記載)することが義務付けられており、税務当局からの要請があった場合は14日以内に提出することが必要です。

但し下記の場合は文書化義務が免除されます。

・総収入額が2500万リンギット以下
・関連者間取引が1500万リンギット以下
・金銭貸借取引が5000万リンギット以下

また前年度の連結総収入が30億リンギット超の多国籍企業グループの最終親会社は会計年度終了から12ヶ月以内に国別報告書の提出義務があります。(外国親会社をもつマレーシア子会社にも適用)

国別報告書の作成義務がある納税者はマスターファイルの作成義務を負い、当局からの要請があった場合は移転価格文書と一緒に提出しなければなりません。

親会社がマスターファイルを作成している場合、子会社はマスターファイルのコピーを移転価格文書と一緒に提出しなければなりません。

使用言語

マレー語または英語

事前確認(APA)及び相互協議

ユニラテラルAPA、バイラテラルAPA、多国間APAともに申請可能ですが、バイラテラルAPAと多国間APAについては海外関連者がマレーシアと二重課税回避協定を締結している地域に所在している場合に限られます。相互協議に関してはマレーシア国内法には定めがありませんが、日馬租税条約においては相互協議条項が定められており、二重課税排除の可能性はあります。

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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