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外注するか内製化するかの判断基準 | 押方移転価格会計事務所

移転価格対応に限らず会社の業務のどの部分を社内で行い、どの部分を専門業者に任せるのかは意外と難しいテーマです。

同じ業務であっても、外注している会社と内製化している会社に分かれることもしばしばです。

例えば「ホームページの制作・管理」について、製造業や卸売業の場合は、ほぼ専門業者に任せていると思いますが、IT関係の会社は自社の社員に担当させていることが多いです。

ファストファッションのしまむらは自社の物流システムを持っていますし、アマゾンは巨大な倉庫を自社で保有しています。これは物流業務の内製化です。

税務や法律業務も同様

法律や税金関係でも同様のことがいえます。

法律関係の問題が起きた時は、顧問弁護士に相談することが一般的ですが、大企業の中には社内弁護士に契約関係や訴訟対策を担当させている会社もあります。これは法律業務の内製化です。

また特許の申請件数が多い会社は、知的財産業務を内製化していることもあります。

税務についても、規模が小さい会社は記帳と確定申告の両方を顧問税理士に外注することが多いですが、規模が大きくなってくると記帳は社内で行い、顧問税理士は記帳内容のチェックと確定申告書の作成を行うというパターンが増えてきます。

さらに規模が大きくなると、記帳と申告書の作成の両方を内製化し、顧問税理士はそれらのチェックと特別案件の相談だけに応ずるというパターンになってきます。

外注するか内製化するかの判断基準

業務を自社で行うか外注するかの判断基準は、①頻度②本業への関わりの深さだと思います。

①頻度
日常的に対応が必要な業務は、その都度外注すると手間がかかりますので、内製化したくなるでしょう。

毎年何百件も特許申請する企業は特許申請業務を内製化するでしょうし、複雑な契約を頻ぱんに結ぶ必要のない企業は、その都度外部の弁護士に相談すればいいと思います。

②本業への関わりの深さ
本業への関わりが深い業務は一般的には内製化の方向に動きます。例えば製造業が研究開発や製造業務自体を外注することはあまりありません。

本業への深い理解が必要な業務は外注しにくいからです。

移転価格対応は本業との関わりが深い

では移転価格対応はどうでしょうか。

移転価格対応は意外と日常的対応が必要な業務であり、また他の税目よりも本業との関わりが深い業務です。

子会社の利益水準をコントロールしたり、「新製品の単価をどう設定しようか」、「この海外出張は子会社負担か本社負担か」、「親子ローンの金利はドル建ての場合は何%で、円建ての場合は何%にする」といった対応が必要です。

年1回のローカルファイルの作成だけが移転価格対応ではありません。ですので社内にノウハウを蓄積し、可能な限り内製化した方がいい業務といえます。

最初は外部業者の力を借りるかもしれませんが、何年か経つうちに自社で対応したくなるはずです。

当事務所にも、「最初は外注していたが、コスト面その他を考えて今後は内製化したい」というご相談があります。

「移転価格対応の内製化支援」によって解決できること

1.形式的にローカルファイルがありさえすればいい
2.適当な担当者がいない
3.ローカルファイルの作成業務にかかる負荷を軽減したい

という状況で、かつ、外注予算が毎期確保できるのであれば外注もありかと思いますが、そうでないなら内製化を目指すべきでしょう。

当事務所は移転価格対応の内製化支援を行っていますが、これは上記1~3を根本から解決するコンサルティングといえます。

移転価格税制に関する社内研修という色合いが多分にありますので、担当者の育成につながりますし、なるべく手間をかけずに年度更新ができるようにご支援するからです。

ローカルファイルは副産物に過ぎない

ローカルファイルは確定申告書のように書き方がカチッと決まっていませんので、どういうロジックで説明するのか試行錯誤が必要です。

完成したローカルファイルだけをみて、それについての報告会に参加したとしても、そこに至るまでのプロセスを理解していなければほとんど意味はないと思います。

親子間取引が独立企業間価格で行われたかどうかを税務当局に説明する第一義的責任は、企業自身にあることを忘れてはいけません。

当事務所はローカルファイルという文書は成果物ではなく副産物と考えています。成果物は企業内部に落とし込まれた移転価格税制や海外寄付金に関する知識と対応ノウハウです。

移転価格対応を内製化することによって課税リスクを低コストで継続的に抑えることができますので、ぜひ内製化にチャレンジして下さい。

関連記事:過去に作ったローカルファイルが放置されている

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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