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別表17(3)が不要になる代わりに推定規定が創設 | 押方移転価格会計事務所

別表17-3 推定

※本記事における「別表17(3)」は平成29年度改正以前の別表のことであり、令和3年4月1日以降終了事業年度に使用する別表17(3)とは異なります。

平成29年度の外国子会社合算税制の改正記事の続きです。

この記事をご覧になる前に 「特定外国関係会社に該当すれば租税負担割合が20%以上でも合算対象」「タックスヘイブン税制改正後もトリガー税率は適用免除基準として事実上存続」「経済活動基準を満たす場合でも受動的所得は合算する理由」もぜひご一読下さい。

改正前は適用除外基準を満たしていることを証明する必要があった

海外子会社の租税負担割合(≒法人税率)が20%未満の場合、改正前のタックスヘイブン対策税制では、別表17(3)の提出及び関連書類の保管を条件に合算課税の適用免除を受けることができました。

別表17(3)は、事業基準や実体基準などの適用除外基準(現行の経済活動基準)を満たしているかどうかを判定するための申告書です。

改正前は「この子会社は低税率国にありますが、適用除外基準を満たしているので合算しません」ということを企業サイドが能動的に主張する必要があったということです。

書面添付が廃止される代わりに推定規定が導入

この書面添付及び書類保存の要件は、平成29年度改正によって廃止されました。(但し、租税負担割合が20%未満の海外子会社の財務諸表等は引き続き添付が必要)

その代わり調査の段階において、調査官は経済活動基準を満たしていることを証明する書類等の提出を求め、期限内に提出がない場合は経済活動基準を満たしていないと推定できることになりました。

これは経済合理性のある事業活動を行っていることが明らかな子会社について、低税率国にあるというだけで合算されてしまうという事態を回避することが目的と考えられます。

ペーパーカンパニーの判定にも推定規定が創設

今回の改正によって導入された「ペーパーカンパニー」に該当するかどうかの判定にも推定規定が設けられました。

ペーパーカンパニーとは事業を行うための固定施設があるかどうかという「実体基準」と、本店所在国において会社の運営管理が行われているかという「管理支配基準」の両方ともを満たさない海外子会社のことです。

調査官はペーパーカンパニーに該当するかどうかの証明資料の提出を求め、期限内に提出がない場合はペーパーカンパニーに該当することができます。

ペーパーカンパニーに該当すると、租税負担割合が20%以上であっても親会社の所得に合算することが必要となります。(30%以上の場合は免除)

海外にペーパーカンパニーがあるケースもたまに聞きますので、今のうちに対応の必要がないか検討しておきましょう。

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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