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海外取引が急拡大している企業は要注意 | 押方移転価格会計事務所

海外取引 移転価格 寄付金

一定の規模であるにも関わらず5年以上税務調査が来ていない企業もありますが、前回の調査からの期間が長ければ長いほど海外取引について注意が必要です。

前回の調査時点では海外子会社との取引がそれほど活発ではなく、海外関係の指摘はなかったとしても、その後の数年間で海外子会社の数が増えて取引量も増えている場合は特に危険です。

税務調査は限られた期間で実施されますので、調査官も指摘事項が多そうなところにあたりをつけてきます。

国内取引よりも海外取引の方が多くの指摘事項が見つかることを知っていますので、「今回は海外取引を中心にみさせていただきます」という宣言の下、海外取引メインの調査が行われる可能性が高いです。

また税務調査官には毎年重点調査項目が示されますが、海外取引が重点調査項目から外れる年はないと元調査官の方から聞いたこともあります。

海外取引に関する税務リスク対策が最初からできている会社は普通ありませんので、海外取引について本腰を入れた調査が初めて行われた場合は、かなりの指摘事項が出ると思います。

海外子会社に対する寄付金の指摘が多い

海外取引の中でも最も注意すべき項目は海外子会社に対する寄付金認定です。

親会社から海外子会社に出張して技術指導を行った場合など、便益を得たのは海外子会社であるにもかかわらず、その出張費用等を親会社が負担している場合は、子会社支援(=寄付)と認定されます。

その他に海外出向者の人件費周りも寄付金リスクが高い項目です。

出向者の給料の大半を親会社が負担している場合や、出向者の社宅家賃や現地所得税を負担している場合などは、子会社支援と指摘される可能性が高いです。

寄付金認定を受ける可能性がある項目は他にもたくさんありますが、考え方自体は簡単で、「海外子会社が便益を得たのであれば、その費用は海外子会社が負担すべき」ということです。

親子とはいえ別会社ですので、財布はきっちり分けましょうということです。

指摘を受けた部分は確実に改善を

海外寄付金項目は指摘事項が1つ見つかれば、最長5年間さかのぼることができますので、合計数千万円の追徴課税となっても不思議はありません。

予想外の金額に驚くかもしれませんが、指摘を受けた箇所については速やかに改善を行いましょう。

子会社に請求すべきものは請求する、請求できない場合は自己否認をする、親会社の経費にする場合は契約書等のエビデンスをきっちり整備することが必要です。

しっかり対策をしておかないと次回も同様の指摘を受けることになりますし、税務コンプライアンスに対する意識が低いとして、税務当局からの心象が悪くなることも考えられます。

海外進出企業は国内税務については概ね対応できているはずですので、今後は海外関係についての知識・ノウハウを蓄積していくことが重要だと思います。

関連記事:海外赴任者の所得税に対する勘違い(知らないと寄付金リスクあり)

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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