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マスターファイルに中心的な金融機能を果たす者を記載する理由 | 押方移転価格会計事務所

マスターファイルには、

・中心的な金融機能を果たしている企業の名称及び所在地
・資金調達の概要
・グループ内融資に係る金利の設定ポリシー

を記載することとされています。

これはなぜでしょうか。

今回はマスターファイルに「中心的な金融機能を果たす者」を記載する理由を考えてみます。

租税回避行為の有無について「あたり」をつけるための文書

そもそもの話ですが、マスターファイルはOECDのBEPSプロジェクトにおいて多国籍企業の税逃れを防止するために提言されたものです。

年間総収入7.5億ユーロ以上の大企業に事業概況とグループ間取引ポリシーを報告させることにより、租税回避行為の有無について見当をつけることが目的です。

日本はOECDの7.5億ユーロを円換算した1000億円をマスターファイルの作成基準としましたが、東南アジア諸国には年間売上数億円規模の企業に義務化しているケースもあります。

その結果、海外子会社サイドでのみマスターファイルが必要となるケースが多く発生しています。

しかしながら日本で提出義務がないため、マスターファイルの記載項目にそれほど関心がない方もいると思います。

本社が中心的な金融機能を果たしているとは限らない

中心的な金融機能を果たしているのは誰かと聞かれても、本社に決まっていると思うかもしれません。

日系企業がアクロバティックなタックスプランニングを行うことは稀と言われていますので、それは自然な感覚だと思います。

しかしマスターファイルの原案を考えたOECDは西欧諸国がメンバーの中心ですので、マスターファイルの記載項目も欧米諸国の多国籍大企業を想定していると考えられます。

欧米企業の中にはアグレッシブな税金対策を行っているケースがあり、タックスヘイブンあたりに金融子会社を作って、グループ企業は皆、その会社から資金調達をしていることもあり得ます。

そしてその金融子会社に支払っている金利水準が高ければ、税務当局は移転価格税制や外国子会社合算税制上の問題があると考えるかもしれません。

そのためマスターファイルに中心的な金融機能を担っている者とその所在地等を記載させることによって、グループ間金融取引における租税回避行為の有無についてあたりをつけようとしているのです。

「What」や「How」ではなく「Why」が重要

ローカルファイルやマスターファイルの記載項目は「なぜそのような記載をするのか」という理由を理解しておくことが重要です。

税務当局も興味本位で書かせているのではなく何らかの意図があるはずですので、その狙いを知っておくことは有用です。

単に「書くことになっているから書いた」というレベルではなく、その「背景」や「目的」を理解しておくことが税務責任者には求められると思います。

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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