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全ての海外子会社にローカルファイルの内容を理解させるのは非現実的 | 押方移転価格会計事務所

海外子会社 ローカルファイル

海外子会社サイドの移転価格対応

移転価格税制は国と国の税金の取り合いという側面があります。

日本の税務当局が「海外子会社に所得が移転している」と主張することもあれば、海外の税務当局が「日本本社に所得が移転している」と主張することもあります。

海外子会社サイドの移転価格対応も必要ですので、その一環として現地の会計事務所にローカルファイルの作成を依頼することがあります。

予算を取ることができればローカルファイルを用意すること自体は可能ですが、その内容を理解しているかどうかが問題です。

海外子会社はローカルファイルの内容を理解していない

ある海外の会計事務所の方が「お客さん(=海外子会社)はローカルファイルの内容をまったくわかっていない」と、はっきり言っていました。

つまり内容を理解していない書類を税務当局に見せているということです。

それはそうなるだろうと思います。海外子会社を5社もつ中堅企業があったとして、5社すべての社員に移転価格税制の内容を理解してもらうのは非現実的です。なかには社員10人以下の小さな販売子会社もあるからです。

日本本社のレビューとサポートが必要

海外子会社サイドでローカルファイルを作成すること自体はいいのですが、その内容を日本本社が把握しているかどうかが重要です。

必要に応じて翻訳した上でローカルファイルの内容を確認し、気になる点があれば作成した現地の会計事務所に照会しておかなければ、現地の税務当局に十分な説明ができません。

さらに、海外子会社サイドで作成したローカルファイル(に相当する書類)を日本本社用のローカルファイルとして採用することも可能です。

そうすることによりグループトータルの文書化コストが削減できます。

日本本社は移転価格税制の学習を

国民性なのか文化なのかわかりませんが、日系企業は海外子会社の税務に無関心なことが多いです。

現地でローカルファイルを作っていることさえ把握していないことがありますが、移転価格税制については価格決定権を持つ日本本社がグループ全体を統率すべきだと思います。

日本本社がヘッドクオーターとして移転価格税制をしっかり学習し、グループ各社をサポートできるようになりましょう。

関連記事:
ローカルファイルの相談に応じられる親会社を目指そう
移転価格対応を海外子会社に丸投げしてはいけない

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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