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国税庁(nta)の「国際戦略トータルプラン」 | 押方移転価格会計事務所

国際戦略トータルプラン

2016年10月に国税庁(National Tax Agency:nta)から「国際戦略トータルプラン」が発表されました。これは経済の国際化、パナマ文書の公表、BEPSプロジェクトの進展などを受け、国際課税の適正性を確保するために今後の方針を掲げたものです。

海外に資産を持つ個人も想定した内容になっていますが、今回は海外に進出している中堅企業にしぼって、その影響を考えてみようと思います。

情報リソースを充実させることにより、国外取引の実態を今まで以上に把握

海外進出企業が増加するに伴い、課税庁の立場としては海外取引についての調査を強化せざるを得ません。ですが海外取引は国内取引のようには情報を収集することができません。この情報不足を埋めるため、国際戦略トータルプランにおいては「情報リソースの充実」を方針の1つに掲げています。

1.国外送金等調書の活用

国外送金等調書は、金融機関に対し、国外への送金や国外からの送金が100万円を超えるものについて、送金者と受金者の住所や氏名を税務署に報告させる義務を負わせるものです。

国外送金等調書の枚数は、平成10年の時点では年間約240万枚だったものが、平成26年には約640万枚に増加しています。国際間の送金を捕捉することにより、不正な資金の動きを捕捉しやすくなります。

2.租税条約に基づく情報交換

税務当局の調査権限は国外には及びませんが、租税条約に基づく情報交換規定により、外国の税務当局に対して情報提供を求めることができます。

個別の取引について反面調査的に照会する「要請による情報交換」だけでなく、法定調書等から把握した非居住者への配当や給与の支払い情報を一括して情報提供する「自動的情報交換」も行われています。

3.非居住者の金融口座の自動交換

そして今後は、非居住者の金融口座の動きや残高を税務当局間で自動交換する取り組みが始まります。

例えば、中国の居住者が日本の金融機関に口座を持っている場合、その口座の情報を中国税務当局に渡すとともに、日本の居住者(法人含む)が中国の金融機関に口座を持っている場合に、その口座情報を中国税務当局から受け取るということです。

日本企業の海外銀行口座の情報を国税庁が入手することになりますので、海外での不正なリベートのやり取りなどは、より発見されやすくなるでしょう。

4.多国籍企業の国別報告書の当局間での情報共有

多国籍企業が税制の抜け穴を使って税金を不当に低くする動きを防止するため、OECDの決定に基づき、連結総収入が概ね7.5億ユーロ以上(日本の場合は1000億円以上)の多国籍企業は、国別の売上、利益、納税額などを記載した「国別報告書」を自国の税務当局に提出することとされました。そして、この国別報告書は、税務当局間で情報共有されることになります。

自社は国別報告書の提出義務はない場合でも、自社が属する業界の大企業は提出しますので、海外子会社の税務当局は日本側の利益水準をおおよそ把握できるようになります。

このことは、今後の移転価格対策に影響を与える可能性があります。

具体的に言うと、海外子会社側の営業利益率だけを検証していればこと足りていたのが、日本本社の利益水準を知られることにより、日本本社に不当に利益を搾取されているという論拠を与えてしまうということです。

その結果、片側検証による取引単位営業利益法ではなく、両側検証による利益分割法が最適な独立企業間価格算定方法だと主張される可能性も考えられます。中国は国別報告書をデータベース化していく方針とのことですので、その可能性を模索していることは間違いありません。中国がそのような方針を出せば、それに追随する新興国が出てくることも十分あり得ます。

とはいえ、このようなトレンドの変化は大企業から先に起こりますので、中堅企業の場合は、大企業に対する各国当局の動きについて最新の情報を収集しておくことが大事だといえるでしょう。

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