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海外子会社への役務提供は寄付金ではなく移転価格の問題 | 押方移転価格会計事務所

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海外子会社への出張支援はきちんと対価を回収しよう

様々な名目で海外子会社に出張に行くことがあると思いますが、出張により子会社が便益を受けるのであれば、その出張費用は子会社が負担すべきです。逆に親会社の便益のための出張であれば、子会社に請求する必要はありません。

現在、国際関係の税務調査で最も指摘件数が多い項目が、海外出張旅費の対価の未回収を寄付金と認定されるパターンと言われています。

対価を全く回収していない場合、フライト代やホテル代に日割人件費まで加えた金額を過去に遡って寄付金認定されますので、金額は軽く数百万円になります。

海外子会社(国外関連者)への寄付金は全額が損金不算入ですので、寄付金認定された金額がそのまま所得加算となってしまいます。

ですので、子会社支援の出張に関してはきっちりと対価を回収し、親会社都合の出張に関しては、出張報告書等の社内資料にその旨を記載して保管しておくことが重要です。

・・というのが結論なのですが、今回はもう一歩踏み込んで記事を書きたいと思います。

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海外子会社への出張支援は「グループ内役務提供」と言われる移転価格上のテーマ

上記のように出張支援にかかる対価の未回収を寄付金認定されることが多いのですが、この出張支援は、本来はグループ内役務提供という移転価格税制上のテーマです。

国外関連者との取引を独立企業間価格で行いなさいというのが移転価格税制の大原則ですので、グループ内役務提供も独立企業間価格で取引を行う必要があります。

つまり棚卸資産取引と同様に、独立価格比準法等の独立企業間価格算定方法の中から最も適切な方法を選択するということです。

そして、出張旅費の場合によく選定される方法が、サービスの提供に要した総費用(総原価)の金額をもって独立企業間価格とする方法(原価基準法に準ずる方法と同等の方法といいます)です。

原価基準法は原価に利益をのせた金額を独立企業間価格とする方法ですが、その出張が会社にとって本業ではないというか、付随的な業務である場合には、原価に利益をのせることなくそのまま独立企業間価格とする原価基準法に「準ずる」方法を使ってもいいことになっています。(ちなみに「同等の方法」とは、棚卸資産取引以外の場合に使用する文言です。)

ですので、正確には実費の回収(=旅費交通費や人件費のマイナス)ではなく、海外子会社にサービスを提供し、その販売価格が総原価(出張実費、日当、日割人件費に合理的な計算方法で算出した間接費まで加えた金額)だったということです。

ですので、勘定科目は「雑収入」が適当ではないでしょうか。 1円も対価を回収していないと寄付金認定を受ける可能性がありますが、対価を回収している場合はその金額が独立企業間価格(すなわち総原価)といえるかどうかという移転価格の議論になります。

まったく子会社に便益がないとはいえないと思いますので、「出張により子会社が便益を受けた部分に関する総原価」を算出し、子会社に請求するようにしましょう。

関連記事:海外子会社への出張旅費の寄付金認定を防ぐための5ステップ

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