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タックスヘイブン税制の適用除外要件は管理支配基準がポイント | 押方移転価格

タックスヘイブン 対策 税制 管理支配基準

低税率国にペーパーカンパニーを作って税逃れをすることを規制するルール

タックスヘイブン税制(外国子会社合算税制)とは、低税率国にペーパーカンパニーを作ることによる不当な課税逃れを防止するルールです。タックスヘイブン税制の適用を受けると、海外子会社の利益を親会社の利益に合算して法人税を計算することになります。

タックスヘイブン税制の適用を受けるかどうかは、まずは持ち株比率と租税負担割合(≒法人税率)で判断します。 ①持ち株比率が50%超 ②租税負担割合が20%未満 この2つの要件を満たした場合は形式基準クリアとなり、次にその会社の実態がペーパーカンパニーかどうかを検討することになります。

タックスヘイブン税制は実態のない会社を使った税逃れを防止することが目的ですので、会社としての実態があれば同税制は適用除外になります。

適用除外要件の検討

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適用除外要件には下記があります。 少し大雑把な言い方になりますが、製造業・小売業の場合は①、②、③、④、卸売業の場合は①、②、③、⑤を全て満たしていればタックスヘイブン税制は適用除外となります。

適用除外となった場合はその旨を申告書別表17-3に記載して提出し、関連書類を保管しておくことが必要となります。

①事業基準

その海外子会社の主たる事業が、株式・債権の保有、工業使用権等の提供、船舶・航空機の貸し付けではないこと

②実体基準

その子会社がオフィス、スタッフ等の事業を行うために必要な実体を備えていること

③管理支配基準

株主総会、取締役会の実施場所や会計帳簿の記帳場所等を総合的に勘案して、その子会社が事業の管理、支配、運営を自ら行っているといえること

④所在地国基準

海外子会社が製造業や小売業の場合、事業の実態を本店所在地国で行っていること

香港に本社を置きながら、主たる工場は中国にあって製造のほとんどを中国で行っている場合や、シンガポールに本社を置きながら、お店(小売)のほとんどが日本にある場合等は、この基準に抵触する可能性があります。

⑤非関連者基準

海外子会社が卸売業の場合、売上または仕入の50%超が資本関係のない非関連者との取引であること

卸売業の場合、事業の性質から国際的な取引がメインとなることも考えられますので、所在地国基準を適用することは適切ではありません。そこで売上か仕入の50%以上が非関連者との取引であるかどうかをもって、ペーパーカンパニーかどうかの判断することにしています。

例えばインドと香港に子会社を持つ日本の商社があるとします。 香港子会社の仕入の90%がインドの兄弟会社からのもので、売上の90%が日本の親会社向けである場合、低税率国である香港に利益を不当に落としていると判断し、香港子会社の利益を日本の親会社の利益に合算することになります。

管理支配基準のレベル感

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上記の適用除外要件を見て、判断に迷うところは管理支配基準ではないでしょうか。子会社が自ら管理支配を行っていることを総合的に判断するという「程度の問題」だからです。形式基準ではありませんので、株主総会を日本本社で行っているから必ずダメということにはなりませんし、現地で会計帳簿をつけていれば必ずOKということにもなりません。

この点に関しては、普通にビジネスを行っているのであれば問題なしと考えていいと思います。子会社なのですから、親会社の意向に従う面があるのは当然です。「親会社の指示に従っているから管理支配基準を満たしていない」としてしまうと、この基準を満たす企業がほとんど無くなってしまいます。

事業上の必要性があって海外子会社を設立し、それがたまたま低税率国であったということなら、タックスヘイブン税制の適用除外要件は普通に満たすと考えていいでしょう。

最近、某上場企業が香港子会社の利益についてタックスヘイブン税制の適用を受けたという報道がありました。実情は知りませんが、おそらくかなり露骨だったのではないでしょうか。(インサイダー取引もあったようですし)

事業上の必要性が(本当に)あって、低税率国に海外子会社を設立したのであれば、タックスヘイブン税制を過度に心配しなくてもいいと思います。

関連記事:タックスヘイブン対策税制の改正で企業の事務負担が増加する?

理論的背景を抑えることにより、国際税務はぐっと身近になります。

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