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簡素なマスターファイル+ローカルファイルの二層構造 | 押方移転価格会計事務所

移転価格税制 マスターファイル

2015年にOECD(経済開発協力機構)の租税委員会からBEPS(税源侵食と利益移転)プロジェクトの最終報告書が発表されました。その最終報告書において、連結総収入が7.5億ユーロ以上の企業に対し、移転価格税制に関する新しい文書化ルールの導入を求めることになりました。

この決定を受けて日本でもルール改正が行われ、連結総収入1000億円以上の企業は下記書類の作成が必要になりました。

・最終親会社等届出事項
・事業概況報告事項(マスターファイル)
・国別報告事項(CbCレポート)
・独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)

これは連結総収入1000億円以上の企業に対するルールですので、1000億円未満の企業の場合は、海外子会社との取引を独立企業間価格で行っていることを説明する文書、すなわちローカルファイルだけを用意すればいいということになります。

実際はマスターファイルの内容も一部記載する必要がある

形式的なルールは上記の通りなのですが、売上1000億円未満の企業が文書化を行う場合、マスターファイルの記載項目についても一部記載する必要が出てきます。マスターファイルの記載項目とは、

・自社グループ企業の名称、本店所在地、出資系統図
・グループ各企業の売上
・主要製品
・サプライチェーン
・重要な無形資産

といったものです。

これらの項目は自社グループの事業概況を説明するものであり、特定の海外子会社との取引が独立企業間価格で行われているかどうかを検証する上での基礎知識となるものです。そのため中堅企業の場合であっても記載する必要があります。

これを「簡素なマスターファイル」と呼ぶとすれば、中堅企業の移転価格ドキュメンテーションの全体像は、「簡素なマスターファイル+ローカルファイル」という形に整理されることになります。

「簡素なマスターファイル」は、グループの事業の概況と海外子会社との取引ポリシー(移転価格ポリシー)を記載した文書です。グループ全体で1文書だけ作成し、更新は必要がある時に随時行います。

「ローカルファイル」は、特定の年度における特定の海外子会社との取引が独立企業間価格で行われたかどうかを検証する文書で、取引のある海外子会社の数だけ作成し、毎年更新します。(ローカルファイルの記載項目は上記「改正のあらまし」の11ページ参照)

移転価格文書化資料については、「移転価格分析資料」「独立企業間価格ガイドライン」など、会社によって様々な名称が使用されていますが、名称はさておき、実質的にこのような二層構造になっていると使い勝手がいいと思います。

またこれは余談ですが、連結総収入が1000億円以上の企業であっても、海外子会社が1社しかない場合は、マスターファイルとローカルファイルの内容が重複するため、ローカルファイルの作成を省略できることとされています。このことは、マスターファイルとローカルファイルが密接に関連した一連の文書であり、各文書の記載項目を厳格に区分できるものではないことを意味しています。

ある程度は企業の裁量に委ねられているともいえますので、自社にとって整理しやすい形で文書化していくようにしましょう。

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