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重要な海外子会社には複数の外部アドバイザーが欲しい | 押方移転価格会計事務所

先日、顧問先の海外現法のスタッフから「非常に大きな税務リスクがある」というSOSが日本本社の経理部に直接届きました。

日本本社も海外現法も正確な情報をつかめていなかったので、当事務所の協力会計事務所とWEBミーティングを行った結果、重大な税務リスクが数年前から放置されていることが明らかになりました。

海外現法はローカルの会計事務所と顧問契約を結んでいますが、日常業務の委託に留まっており、また言葉のカベもあって税務リスクを適時適切に把握することができていなかったのです。

外部アドバイザー利用上の問題点

どこの海外現法も現地のアドバイザー(会計事務所等)と顧問契約を結んでいると思います。

しかし日本本社が海外子会社管理の一環として現地のアドバイザーを活用しようとする場合、次のような問題が生じることがあります。

1.コミュニケーションがうまくいかない

これは言語のカベが大きな要因です。

ベトナムのように日本人社長が現地語を話せない場合は伝言ゲームになりますので、「かゆいところに手が届いた回答」が返ってこない可能性があります。

こういう場合は日系会計事務所と直接やり取りしたくなるでしょう。

2.現地当局の手先のように感じる

現地会計事務所の顧客はあくまでも海外子会社であって、日本本社ではありません。

ですので海外子会社で追徴課税が発生した場合は、自らの税務処理にミスがあったと追及される可能性があります。

そのため、まるで現地当局の手先のように海外子会社サイドのリスクをとにかく低くしようとする傾向があります。それは日本本社サイドの追徴リスクを高めることに他なりません。

多くの場合、日本本社はその現地アドバイザー以外の情報源を持っていないので、適切なアドバイスなのか、過度に保守的なのかを判断できないことがあります。

3.不必要な契約を売りつけられる可能性

別の顧問先のシンガポール子会社が、シンガポールの税務当局から日本本社に払っているロイヤリティについて説明を求められました。

現地の会計事務所(大手)は、それをきっかけにシンガポールの文書化基準、罰則などを並べ立て、「ローカルファイルを作らないと大変なことになりますよ」と執拗に契約を取ろうとしてきました。

ロイヤリティについて質問されただけでローカルファイルの提出を求められた訳ではないのですが、明らかにローカルファイルの法的作成義務があると誤認させようとする言い回しでした。

日本本社には十分な情報収集力がないと踏んでいたのかもしれません。

重要な海外子会社にはセカンドオピニオンが欲しい

こういう状況を踏まえると、やはり重要な海外子会社には情報源が複数欲しいと感じます。

ローカル事務所と契約しているのであれば、セカンドオピニオンとして日系事務所を加えるといった対応です。

社員が数百人いて売上が数十億もある海外子会社であれば、顧問料ぐらいは安いものです。

グローバルなコンプライアンスの一環として日本本社がある程度費用負担してもいいでしょう。

いつの時代も「情報こそ価値」です。

グループ全体の外部ブレーンについて、棚卸をしてみることをお勧めします。

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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