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デジタル課税は「PEなければ課税なし」の大原則に風穴を開ける | 押方移転価格

デジタル課税 イギリス

イギリスが大手IT企業に対し、イギリス国内の売上高に2%の法人税を課すデジタル課税に踏み切るようです。

これは完全にGoogle(Alphabet)、Amazon、Facebookを狙い打ちにした対策です。

現在の国際課税では事業所得について、「PEなければ課税なし」という大原則が適用されています。

これは外国企業がイギリス国内に支店や工場などのPE(恒久的施設)を持っていない場合は、イギリス国内の売上がどれだけあってもイギリス政府はその企業に法人税を課すことができないという意味です。

大手IT企業はイギリス国内にPEを持たずに多額の売上を上げており税負担に不公平があるということで、税制を改正して売上高を課税標準にできるようにするということです。

租税条約にも影響する

デジタル課税(売上高課税)が国際課税ルールのスタンダードになるのであれば、将来的に日本でも同様の税制改正が行われる可能性はあると思います。

仮に日本でそのような税制改正が行われた場合、租税条約にも影響が及ぶはずです。

租税条約は両国の課税関係を事業所得や利子、配当、使用料といった項目ごとに調整するものですが、国内法に優先して適用されますので、国内法だけでなく租税条約も改正しなければ意味がないからです。

「PEなければ課税なし」という大原則はOECDモデル租税条約(テンプレートのようなもの)の事業所得の項において次のように記載されています。

「一方の締約国の企業の利得に対しては、その企業が他方の締約国内に存在する恒久的施設を通じて当該他方の締約国内において事業を行わない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課すことができる。」

日本が締結している租税条約はすべて上記モデル条約に沿った内容になっていますので、デジタル課税が導入された場合は、ここの部分も改正しなければならないはずです。

何十年も続いた大原則を転換する話ですので、すんなりいくとは思いませんが、IT技術を使った新しいビジネスモデルに税制が追いついていないことは確かです。

日本は丁寧というか慎重に税制改正を行いますが、それではどうしてもスピードが遅くなります。

東南アジア諸国のように「とりあえずやってみて問題があれば修正する」というトライアンドエラー方式の方が現実的なのかもしれません。 

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