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所在地国基準と非関連者基準を使い分ける根本的な理由 | 押方移転価格

非関連者基準 所在地国基準

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の適用を受けるかどうかの判断基準(経済活動基準)の中に、所在地国基準と非関連者基準があります。

所在地国基準とは、海外子会社(外国関係会社)が事業活動を本店所在地国で行っているかどうかを判定するもので、主に製造業に適用されます。

非関連者基準とは、海外子会社が売上または仕入の50%以上を関連者以外の者と行っているかという基準で、主に卸売業に適用されます。

今回はなぜ製造業には所在地国基準が適用され、卸売業には非関連者基準が適用されるのか、というそもそもの理由を考えてみたいと思います。

外国子会社合算税制の趣旨

まず外国子会社合算税制の根本的な目的を確認しておきます。

この税制は、軽課税国にビジネス上の合理性がない子会社を設立することによる租税回避行為を防止することが目的です。

逆に言うとビジネス上の必要性があれば(=租税回避目的でなければ)、軽課税国に子会社があっても合算する必要はないことになります。

製造業の場合

製造業の場合、本店所在国で製造活動を行わないのであれば、ビジネス上の必要性のない子会社、つまり租税回避目的の子会社であるという疑いが強くなります。「製造しないのなら、なぜその国に子会社を作ったのかわからない」ということです。

一方、原材料の大半を日本本社や他のグループ企業から仕入れることによって製造活動を行い、そして、完成した製品の大半を日本本社や他のグループ企業に販売しているとしても、それはビジネス上の必要性があってのことだろうと推測できます。

ですので製造業に対しては、「製造行為を行っている場所」を重視し、非関連者基準ではなく所在地国基準で判断することになります。

卸売業の場合

卸売業を営む海外子会社の売上と仕入双方の50%以上が関連者との貿易だとすると、その子会社の設立目的に疑問が生じます。

関連者間取引の商流を動かすことは容易ですので、低税率国に子会社を作って間にはさむことによって、税金逃れをしているかもしれないからです。

一方、営業活動については本店所在地国以外の国で行っていても何も不思議はありません。いろいろな国に販路を広げるのは商社として自然な活動だからです。

ですので卸売業に対しては、営業行為を行っている場所ではなく「取引先が非関連者かどうか」を重視し、所在地国基準ではなく非関連者基準を適用することになります。

上記趣旨に沿う形で税制改正が行われている

所在地国基準と非関連者基準のどちらを使うかは業種によって決められていますが、このうち航空機貸付業について税制改正があり、所在地国基準から非関連者基準へと変更されました。

その理由も上記の趣旨に沿ったものです。(詳しくは「一定の航空機リース業は事業基準を満たすこととされた理由」参照)

世の中の動きに合わせて税制も改正されていきますが、単に「AがBになった」「CがDになった」と表面を追うのではなく、制度趣旨、理由を理解しておくことが重要だと思います。

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