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役務提供取引と無形資産取引の違い | 押方移転価格会計事務所

無形資産 役務提供 違い

海外子会社に支援を行う場合、役務の提供と無形資産の使用は別のものであることに注意が必要です。

役務提供とは技術指導などのサービス提供そのもののことであり、無形資産の使用とは特許技術や製造図面などの価値あるノウハウを提供することです。

性質が異なるものですので、別の名目で対価を回収する必要があります。

・役務提供 ⇒サービス提供の対価を請求
・無形資産の使用 ⇒使用料(ロイヤルティ、ライセンス料)を請求

適切な対価を回収していない場合は、海外子会社に所得の移転が起きているとして移転価格税制の適用を受けるか、あるいは海外子会社に寄付を行っているとして寄付金課税の適用を受ける可能性があります。

無形資産取引と役務提供取引の区別があいまいな場合がある

実際問題として、無形資産取引と役務提供取引の区分は必ずしも明確ではありません。

移転価格事務運営指針においても下記のように定め、税務調査時に注意すべき事項であるとされています。

<移転価格事務運営要領3-9>
役務提供について調査を行う場合には、次の点に留意する。
(1)役務提供を行う際に無形資産を使用しているにもかかわらず、当該役務提供の対価の額に無形資産の使用に係る部分が含まれていない場合があること。
(注)無形資産が役務提供を行う際に使用されているかどうかについて調査を行う場合には、役務の提供と無形資産の使用は概念的には別のものであることに留意し、役務の提供者が当該役務提供時にどのような無形資産を用いているか、当該役務提供が役務の提供を受ける法人の活動、機能等にどのような影響を与えているか等について検討を行う。
(2)役務提供が有形資産又は無形資産の譲渡等に併せて行われており、当該役務提供に係る対価の額がこれらの資産の譲渡等の価格に含まれている場合があること。

海外子会社に技術指導を行った際に、役務提供と無形資産の提供が同時に行われたのであれば、理論的にはそれぞれの名目で対価を受け取る必要があるということです。

「役務提供の対価はロイヤリティに含まれている」と主張したい場合は、ロイヤリティ契約書にその旨を記載しておくべきでしょう。

ノウハウの移転は起きたか

両者を明確に区別することは難しいですが、技術支援等により海外子会社にノウハウが移転したかどうかがひとつの判断材料です。

例えば海外子会社の重要な製造設備に不具合があって日本本社から技術者が出張したとします。

壊れた設備を修理しただけであれば役務の提供であり、今後は子会社が自ら不具合を解消できるまで、徹底してノウハウを提供した(=技術が移転した)のであれば、無形資産取引というべきかもしれません。

独立企業間価格で取引しなければならない

海外子会社(国外関連者)との役務提供取引、無形資産取引はともに移転価格税制の適用対象ですので、独立企業間原則(Arm’s Length Principle)が適用となります。つまり独立企業間価格(Arm’s Length Price)で取引をする必要があります。

役務提供取引については割と単純で、サービス提供にかかった総原価を請求すれば独立企業間価格で取引したといえる可能性があります。(「グループ内役務提供(IGS)においては、総原価を請求すればいいケースが多い」参照)

一方、無形資産取引の独立企業間価格(=ロイヤリティ料率)を一概に説明することは難しいですが、比較対象取引のロイヤリティ料率を使用する方法(CUP法)、またはロイヤリティ支払い後の営業利益率を検証する方法(TNMM)が多いでしょう。

論理的に説明できるよう検討しておくことが重要

ともかく役務提供取引と無形資産取引は別のものであることを理解した上で、

・役務提供の対価の回収モレはないか
・ロイヤリティの回収モレはないか

を、事前に検証しておくことをお勧めします。

ライセンス契約書やサービスコントラクトの有無、その記載内容、対価の設定方法、子会社側での損金算入の可否、送金規制などをトータルで検証し、調査時に慌てずに済むよう備えておきましょう。

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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