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売上高営業利益率と総原価営業利益率(フルコストマークアップ率) | 押方移転価格

売上高営業利益率 総費用営業利益率

関連記事⇒「ベリー比(ベリーレシオ)とは」

独立企業間価格算定方法の1つである取引単位営業利益法は、親会社または子会社の比較対象となる企業をデータベースから探してきて、その営業利益率を比較する方法です。

ですが、その際に使う指標には3種類あります。売上高営業利益率(営業利益÷売上高)、総費用営業利益率(営業利益÷(売上原価+販管費))、ベリー比(売上総利益÷販管費)です。ベリー比については上記の関連記事をご覧いただくとしまして、この記事では売上高営業利益率と総費用営業利益率の使い分けについて説明したいと思います。

「分母が第三者との取引かどうか」がポイント

取引単位営業利益法は営業利益率の妥当性を検証する方法ですので、分母の金額には第三者との取引額を使用することが必要です。

例えば、海外子会社が外部から100で仕入れた棚卸資産を130で日本本社に販売し、そのための経費(販管費)が20かかったとします。海外子会社の営業利益は130-100-20=10です。この場合の営業利益率として、売上高営業利益率を使用することは適切でしょうか。

売上高営業利益率=営業利益÷売上高=10÷130=7.69%

となりますが、売上高の130は日本本社との取引額です。移転価格税制は資本関係のある身内企業との取引を自由にコントロールすることを防止することがそもそもの目的です。

今回の場合は親子間貿易額である130が独立企業間価格といえるかどうかを検証しているのですから、この130を分母に含めてしまっては適切な検証とはいえません。従ってこの場合は、総費用営業利益率を使用することになります。

総費用営業利益率=営業利益÷(売上原価+販管費)=10÷(100+20)=8.33%

売上原価も販管費も外部の企業(及び従業員)に支払った金額であり、恣意的にコントロールすることはできません。ですので、この数字を比較対象企業の総費用営業利益率と比較することにより適切な分析を行うことができます。

日本本社が売り手の場合

日本本社が海外子会社に棚卸資産を100で販売し、海外子会社はそれを130で外部の第三者に再販売し、そのための経費(販管費)が20かかったとします。海外子会社の営業利益は130-100-20=10です。

この場合に総費用営業利益率を使うと次のようになります。

総費用営業利益率=10÷(100+20)=8.33%

この場合は分母に日本本社からの仕入額(100)が入ってしまっています。これでは適切な分析はできませんので、この場合は売上高営業利益率を使用します。

売上高営業利益率=10÷130=7.69%

であれば分母の130は外部企業と取引額ですので、比較対象企業の売上高総利益率と比較することにより適切な移転価格分析を行うことができます。

つまり適切な分析を行うためには分母に第三者との取引額を使用する必要があるという結論になります。

移転価格対応は理論的背景を理解することが重要

移転価格対応全般にいえることですが、ひとつひとつの工程の理由(=理論的背景)をしっかり理解することが重要です。そうすることにより、これまでにない取引が始まった場合などにも応用をきかせることができるからです。

テンプレートにあてはめて機械的に作業をするのではなく、「なぜそうするのか」という理由を考えることが重要です。

移転価格税制に関するお役立ち情報一覧はこちら

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