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寄与度利益分割法を使うこともたまにある | 押方移転価格会計事務所
- 2026.01.11
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寄与度利益分割法は関連者間取引における各社の合計利益を分割ファクターの比率で分割する大胆な方法です。
分割ファクターを強引に設定すれば、たいていどんな状況でも「所得移転なし」という結論にもっていけますが、分割ファクターには必ず主観が入りますので採用はあまりされません。
とはいえ全くないこともないので、どんなケースがあるかみてみましょう。
関連者間取引に金額的重要性がない場合
関連者間取引の規模が小さいのでローカルファイルの作成にコストをかけたくない場合、企業情報データベースが不要な寄与度利益分割法で、とりあえずの説明をしているケースがあります。
理論的に弱い面があったとしても何もないよりはマシです。費用対効果を考えれば賢い選択かもしれません。
比較対象取引が見つからない場合
比較対象企業を探す際に「ウチは特殊な業界だから・・」と言う人は多いですが、そうだとしても製品(商品)のカテゴリーを広げたり、国・地域を広げたりして何とか探していくものです。
しかしどうやっても比較対象企業が見つからないこともあります。マーケットを数社で寡占していて海外子会社の同業他社はライバル企業の子会社ばかりである場合などです。
その場合は寄与度利益分割法しか選択肢が残らないことがあります。
共同活動により機能を果たしている場合
連鎖取引の場合などに寄与度利益分割法が登場することもあります。
ドイツに子会社があって日本本社から購入した製品をヨーロッパ全域に販売しているとします。しかしイギリスだけはイギリス子会社が別にあるので、同社に製品を卸しているとします。
この場合、ドイツ子会社とイギリス子会社を簡易連結し、簡易連結子会社の利益率をALPレンジ内に収めるという移転価格ポリシーにすることがあります。この方法により日本本社に通常の利益+無形資産の使用による利益が帰属しますので、日本からドイツイギリス連合国への所得移転がないことが証明できます。
次にドイツ子会社とイギリス子会社の利益配分ですが、これは両社の機能リスクの負担状態により判断は分かれます。ドイツ子会社がほとんど何もしていないのであれば、アレンジコスト見合いの利益を落とせば十分です。
しかし両社が共同でイギリス国内の販売活動を行っているのであれば、両社の販管費を分割ファクターとする寄与度利益分割法もあり得ます。イギリス子会社単独では完全な販売機能を有していないのですからイギリスの商社を比較対象とするTNMMは適切とはいえないからです。
双方向取引の場合
上記と同じく共同で機能を果たしている場合として双方向取引もあり得ます。
日本本社のキャパが足りない時はアメリカ子会社で何かの作業を行ない、アメリカ子会社のキャパが足りない時は日本本社で作業を行なうことにより、顧客に対して売上を立てているとします。
1つ1つの作業のコストを集計して、それに利益を上乗せする原価基準法が採用できればいいですが、個々の作業が頻繁でかつ細かい場合は、作業に要した両社の販管費を分割ファクターとする寄与度利益分割法が採用されるかもしれません。
このように寄与度利益分割法も、たまには使われます。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
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