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平成29年度の税制改正大綱はタックスヘイブン対策税制の改正に注目 | 押方移転価格会計事務所

平成29年 税制改正大綱 タックスヘイブン

まもなく発表される2017年の税制改正大綱にタックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)の改正が盛り込まれます。パナマ文書の流出による国際的な課税逃れへの批判も後押ししたようで、相当大きな改正になるようです。

現行のタックスヘイブン対策税制は、「トリガー税率」と呼ばれる税負担割合を下回る国にある海外子会社の所得だけが合算の対象になっています。現在のトリガー税率は「20%未満」ですので、香港やシンガポールに子会社がある場合は、原則として、その子会社の所得を日本本社の所得に合算することになります。

トリガー税率の撤廃

今回の改正ではこのトリガー税率を撤廃し、日本より税率の低い国にある子会社は軒並み合算の対象とすることになります。つまり、中国、韓国、タイ、マレーシア、インドネシア、イギリスなどにある子会社が同税制の適用対象に加わるということです。

アメリカは日本より法人税率が高いですが、トランプさんが税率の引き下げを行った場合は、アメリカ子会社の所得も合算対象になるかもしれません。

また現在は外国法人の出資比率が50%超の場合は同税制の適用対象外ですが、ここに実質判断基準を盛り込む検討もされているようです。適用対象が大きく広がることにより、これまでタックスヘイブン対策税制に関係がなかった多くの企業が対応を迫られることになります。

所得の種類を捕捉し、資産性所得のみを合算

適用対象となる子会社の範囲が広がる一方で、合算対象となる所得の範囲も変更になります。

現在はタックスヘイブン対策税制の適用対象となる子会社の所得を種類に関係なく全て合算していますが、改正により、事業を行うことによって得た所得は合算の対象から外し、株式の譲渡益や配当収入、債券利息などの受動的な所得(資産性所得)のみを合算することになります。

これは海外子会社の所得の中身を捕捉しなければならないこと意味しています。大きな会社の場合はシステムへの投資が必要になると思います。そこまでの規模でない場合は、エクセルなどを使って報告させるか、子会社の元帳や試算表を本社側でチェックするしかないでしょう。協力的な海外子会社であればいいですが、そうでない場合もありますので、骨の折れる仕事になるでしょう。

またいざ合算するとなった場合は、持ち株比率を乗じて合算所得額を算出し、二重課税になる部分について外国税額控除の適用を受けることになります。タックスヘイブン対策税制に関する別表17-3も、フォーマットの改訂が行われるでしょう。

この改正は調査する側にとっても大きな負担になると思います。海外子会社の配当収入や債券利息の合算もれを調査するには、少なくとも海外子会社の試算表の確認が必要です。海外子会社の元帳までチェックしなければならないケースもでてくるでしょう。

いずれにせよまずは、大綱の中身をしっかり確認し、自社への影響を見極めることが重要です。

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