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マスターファイルの作成には移転価格ポリシーの構築が必要 | 押方移転価格会計事務所

マスターファイル ポリシー

多国籍企業が各国の税制のスキマをついて税負担を不当に小さくする行為に歯止めをかけるため、2015年にOECDから新しい移転価格文書化制度が提言されました。連結総収入が7.5億ユーロ以上の多国籍企業は、①国別報告書②マスターファイル③ローカルファイルの3層構造の移転価格文書を整備しようという提言です。

この提言を受けて日本でも2016年に税制改正が行われ、連結総収入1000億円以上の企業は、国別報告書とマスターファイルを決算日の翌日から1年以内にE-taxで税務当局に提出することが義務化されました。

マスターファイルの作成基準は各国政府が決める

日本ではOECDが決定した7.5億ユーロを概ね円換算した1000億円が基準となりましたが、金額基準は各国政府が自分達で決めることができます。その結果、インドネシアでは500億ルピア(約4億円)、ベトナムでは500億ドン(約2.5億円)でマスターファイルとローカルファイルを作成することが義務化されました。

マスターファイルはグループ全体の事業概況を記載した文書ですので、各国の税務当局が欲しがることもうなずけます。今後も新興国を中心に、日本より厳しい基準でマスターファイルの作成が義務化されることが予想されます。

マスターファイルはグループ概況を概括的に記載した文書

「マスターファイル」という聞きなれない単語をみると、特別なことを記載するのかと思ってしまいますが、実際はそうでもありません。日本の税制によるマスターファイルの記載項目は、主としては下記のようになります。(正確には租税特別措置法施行規則第22の10の5を参照のこと)

・グループ構成企業の名称、所在地
・グループ構成企業の売上、収入その他の収益の重要な源泉
・出資関係図
・主要製品のサプライチェーン及び地理的市場の概要
・重要な無形資産の概要
・グループ内役務提供の内容及び対価の設定方針
・各構成会社の果たしている機能と負っているリスク
・グループ間金融の対価の設定方針
・連結財務諸表
・事前確認(ユニラテラルAPA)の概要

グループ概要を把握することが目的ですので詳細な記述は必要ありません。各項目について概括的に記載しておけば十分です。

「移転価格ポリシー」が決まっていないと作成できない

但し、これは海外子会社との取引価格をどのように決定するのかという「移転価格ポリシー」が構築済みの場合です。「グループ内役務提供の対価は原価基準法で算定する」「研究開発にかかる無形資産は親会社が保有し、マーケティングにかかる無形資産は各子会社が保有している」といったことを検討していなければマスターファイルもローカルファイルも作成できません。(「特にポリシーはない」とは記載できないと思いますので・・)

連結1000億円未満でも海外子会社サイドでマスターファイルやローカルファイルを作る義務が生じることもありますし、1000億円を超えていても移転価格税制について全く手つかずという会社もあります。

今後も日本サイド、子会社サイドの両方で移転価格税制に関するルールの整備が進んでいくと思いますので、いつまでも未対応という訳にはいかないでしょう。まずは移転価格税制に関する情報収集から始めてはいかがでしょうか。情報収集の際には、当事務所のセミナー無料メールマガジンもぜひご利用下さい。

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