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グループシナジーは無形資産ではないが無視もできない | 押方移転価格会計事務所

移転価格 シナジー

「企業グループシナジー」という言葉を聞くことがあります。

よく出てくるのは合併話の時でしょう。「合併によってシナジー効果を発揮し・・」というように使われます。

グループシナジーの中身を具体的に挙げると、システム統合や重複費用の削減による経営の合理化、大量購買による価格交渉力、借入時の信用力向上、苦手分野の相互補完による新規分野への進出可能性などが考えられます。

直接的な対価性はない

このグループシナジーですがOECD移転価格ガイドラインにおいては、無形資産ではないと整理されています。

無形資産は貸与や譲渡の際に対価が発生すべきものと定義されていますので、「有名企業グループの一員であること自体」を理由に海外子会社から対価を受け取る必要はないということです。

もちろん子会社から「企業名・ブランド名の使用許諾料」を受け取ることはできます。

しかしこれは「ブランド」という無形資産(商標)の使用料であって、グループシナジーの対価ではありません。

比較可能性分析に影響する可能性

グループシナジーは無形資産ではないのですが、経済的効果がない訳ではありません。

シナジー効果によって原材料を安く買えたり、重複経費の削減によって利益率が高くなることはあり得ます。

これはグループシナジーによって海外子会社の利益率が影響を受けていることになりますので、理論的には比較可能性分析において考慮されるべき事項といえます。

例えばシナジー効果によって第三者からの原材料の購入価格が一般的な水準より概ね5%程度安くなっていると説明できるのであれば、比較対象取引より粗利益率が5%高くても移転価格税制上の問題はないと主張できます。

あるいは重複経費の削減によって海外子会社の販管費が比較対象取引より10%程度少なくなっていると説明できるのであれば、その分は日本からの所得移転ではありませんので差異調整を行うことができます。

融資、債務保証時の信用格付けに影響

また海外子会社が借り入れを行う際に銀行がグループシナジーを考慮することがあります。

「〇〇株式会社の子会社だからイザとなったら助けるはず」と、格付けを上げる可能性があるという意味です。

債務保証を要求されたとしても、海外子会社の決算書をそのまま使うのではなく、グループシナジーによって格付けが上がっていると判断した上で債務保証料を設定することは十分合理的だといえます。

自社グループにどのようなシナジー効果があるのか、一度検証することをおススメします。

<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)

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