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価格調整金の経理処理(会計仕訳) | 押方移転価格

移転価格 価格調整金 仕訳

価格調整金の会計処理(仕訳)について解説したいと思います。どこにもあまり書いていませんので、ぜひ参考にして下さい。

移転価格税制自体は実際の取引価格の修正を求めていない

まず前提となる知識からお話しします。

移転価格税制は海外子会社との取引を独立企業間価格で行うことを求める税制ですが、実際の取引価格の修正を強制するものではありません

例えば海外子会社への実際の販売価格が100で独立企業間価格が120の場合は、確定申告書で20を加算するという方法で問題はなく、この場合、会計上(=総勘定元帳上)の仕訳は発生しません。

要は税金さえ正しく払っていれば、実際の取引には関与しないということです。

ですがもちろん実際の取引価格を修正することは可能です。その場合は価格改定か価格調整金のいずれかの方法によることになります。

今回は独立企業間価格レンジから外れそうな場合は期末に価格調整金を計上するという移転価格ポリシーを構築している企業の会計処理を考えてみます。

価格調整金の受け払いをする場合の会計処理

価格調整金は海外子会社との取引価格を事後的に修正するものと整理されますので、価格調整金を計上する時は、売上または売上原価を修正することになります。

つまり、実際の販売価格が独立企業間価格より20高かった場合は

(売上)20/(未払金)20

となり、実際の販売価格が独立企業間価格より20低かった場合は

(未収入金)20/(売上)20

となります。

購入している場合において、実際の購入価格が独立企業間価格より20高かった場合は

(未収入金)20/(売上原価)20

となり、実際の購入価格が独立企業間価格より20低かった場合は

(売上原価)20/(未払金)20

となります。

損金算入の可否について

価格調整金を支払う場合、損金に算入できるかどうかが心配だと思います。

損金に算入するためには、価格調整金の算定方法等について海外子会社との事前取り決めが必要です。

どのような場合に価格調整金を払うのか、計算根拠はどうなっているのかについて、事前に取り決めた上で、その取り決め通りに支払う必要があるということです。利益コントロールのための恣意的な価格調整金を防止するためです。

また価格調整金を支払うことを決定した日と実際に払った日も記録しておくことが必要です。

税効果会計についてですが、事前取り決めに従った価格調整金であれば損金算入が認められるため、一時差異には該当せず、繰延税金資産(負債)の計上は不要です。

監査法人のチェックも必要

価格調整金は金額的重要性が高くなる場合があります。

売上または売上原価と、売上総利益以下の各段階利益が大きく動きますので、上場企業の場合は監査法人も価格調整金が移転価格ポリシーに従って正しく算出されているか、未払い・未収計上が正しく行われているかをチェックしなければなりません。

これまで移転価格ポリシーを構築していなかった企業も今後は移転価格対応を進めていくはずです。

海外子会社サイドの監査法人がローカルファイルの作成不備を指摘する例も出てきていますので、日本の監査法人も移転価格ポリシーやローカルファイルの検証を行う必要があるでしょう。

関税の調整も必要

価格調整金は取引価格を事後的に修正するということですので、関税の課税価格(現実支払価格)も修正されることになります。

そのため価格調整金を受け取った場合は関税の修正申告を行い、価格調整金を支払った場合は更正の請求を行うことになります。

しかし、価格調整金を個別の製品ごとに明確に配分することは難しいので、更正の請求が認められる可能性は高くはないでしょう。

できれば価格調整金は避けよう

ここまで書いてきていうのも何ですが、価格調整金はできれば避けましょう。

日本サイドの法人税や関税の問題だけではなく、海外子会社サイドの税務リスクが高いからです。受け取る分には構いませんが、支払う場合は損金にならない可能性が高いです。

価格調整金ではなく、価格改定によって利益率レンジに収めることをお勧めします。

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