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コンパラの利益率はそんなに高くない | 押方移転価格会計事務所
- 2026.09.24
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海外子会社の営業利益率が10%を継続して超えていると、調査官から「子会社の利益率が高過ぎる」「所得移転の疑いがある」と言われる可能性が出てきます。
しかし企業内部の人間としては「10%ぐらい普通でしょ」「競合はもっと儲けている」「ウチはそういう業界なのよ」という感覚をもつこともあるでしょう。原価率の低い製造業や、IT・サービス系事業の場合は特にそう思うはずです。
もちろん企業情報データベースから適切に比較対象企業(コンパラ)を抽出し、その四分位レンジが10%~20%となっていれば、海外子会社の営業利益率が15%であっても所得移転はないという結論になります。
四分位レンジ選択で切り捨てられる
しかし実際は、そう都合よくはいかないと思います。
データベースに収録されている比較対象企業候補の中には営業利益率20%、30%の企業があるかもしれませんが、四分位レンジを取ることにより上位勢は捨てられます。
どの企業も軒並み15%程度以上であれば四分位レンジの上限が20%ぐらいになると思いますが、その可能性は低いでしょう。
自分達は「儲かる業界」と思っていても各社の事情は様々です。
データベース上は海外子会社と同じ産業分類であっても複数の事業を行なっている場合もあるでしょうし、税金対策で利益を下げている可能性もあります。
「競合はもっと儲かっている」と言ってもどこかの企業の子会社は比較対象企業として採用できませんので、その競合の海外子会社の営業利益率が高くても意味はありません。
ではフルレンジか?
では四分位レンジではなく、フルレンジで説明すればいいと考える人もいるでしょう。
確かにフルレンジであれば営業利益率が突出して高い企業を含めればよいので、とりあえず「所得移転はない」と結論したローカルファイルを作成することは可能と思います。
しかし今度はその企業はなぜそんなに儲かっているのか、海外子会社との比較可能性は十分かという議論になります。
調査官はその企業のWEBサイトなどを徹底的に調べた上で、コンパラから外そうとしてきます。海外子会社と異なる点を探せばいいだけなので、これはそんなに難しい作業ではありません。
TNMMを前提とすれば、四分位レンジの上限内に収めておくことが何といっても無難なのです。
データベースを取れば儲かっているコンパラがたくさん見つかるはずとタカをくくっている方は、一度、実際にデータベースを取得してみることをお勧めします。
<この記事を書いた人>
押方移転価格会計事務所 押方新一(公認会計士・税理士)
「移転価格対応に失敗したくない人が最初に読む本」
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