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コンサル事例

2003年に大手税理士法人が提案した独立企業間価格算定方法現在の事業環境に応じた適切な方法に変更し、理論的背景を理解した上で自社で移転価格文書のリニューアルができるようになったケース

  1. Before

    合弁パートナーの反対により、最も取引高の大きい中国現地法人に移転価格計算が未適用となっていた。また海外出向者の人件費を親会社がどのように負担するかについてルールが定まっておらず、海外出張旅費の請求も行われていなかった。

  2. After
    • 移転価格計算方法を寄与度利益分割法から取引単位営業利益法に変更し、
      中国現地法人に対しても移転価格対応が完了した。
    • 海外出向者の人件費負担、海外出張旅費の請求についてのルールが明確になった。
    • 社内勉強会を通じ、海外出張者、現地法人社長の理解を得ることができた。
    • 移転価格と海外寄付金についての理解が高まり、
      移転価格文書を自社でリニューアルできるようになった。
  • 企業概要

    連結売上約300億円、従業員数約150名の専門商社

    中国とアセアン複数国に現地法人(販社)を設立し、日本本社から現法経由で各国の日系メーカーに工業用品を販売。アセアン子会社は100%独資だが、中国現法には現地企業が40%出資しており、事実上の運営は当該現地企業が行っている。

  • 移転価格・海外寄付金への対応状況

    税務コンプライアンスに関する意識は高く、2003年に大手税理士法人に依頼して移転価格文書の作成を行った。アセアン現法に対しては当該文書に従って移転価格計算を行ってきたが、中国現法からは計算方法についての理解が得られず未適用のままとなっていた。
    また各現地法人に出向者を送っており、出向者の人件費関係(家賃等の諸手当含む)で税務調査のたびに指摘を受けていた。

Action1移転価格計算方法の変更

2003年に大手税理士法人から提案された移転価格計算方法は、販管費を分割ファクターとする寄与度利益分割法であった。

寄与度利益分割法が選定された理由

  • 当時は取引単位営業利益法が認められておらず、基本三法のひとつである再販売価格基準法の要件を
    満たすほどの比較対象取引を見出すことが困難だった。
  • データベースの使用料が高額であり、予算的に厳しかった。

寄与度利益分割法の問題点

  • 最大取引先である中国現法が、販管費を基準に利益を分割するという考え方に反発し、
    適用できていなかった。

取引単位営業利益法への変更を提案

コンサルティングに入らせていただき、子会社を比較対象とする取引単位営業利益法への変更を提案しました。現在は最適メソッドが採用されているため、寄与度利益分割法よりも取引単位営業利益法の方がより適切であることを移転価格文書の中で説明しました。
文書化の代行ではありませんので、経理の方と緊密に連絡を取り合い、取引単位営業利益法の考え方や実務上の注意点を理解していただき、今後はご自身で運営ができるところまでサポートさせていただきました。

比較対象取引の選定

世界50ヶ国以上の国税当局も使用しているビューロ・ヴァン・ダイク社のデータベースを部分的に利用し、コストを抑えながら取引単位営業利益法を適用するに足る信頼性をもった比較対象取引を選定しました。経理の方には比較対象取引の選定方法についても理解をいただきました。

中国現法への適用

比較対象企業の売上高営業利益率の独立企業間価格幅を選定したところ、中国現法の売上高営業利益率はレンジ内に収まっており、移転価格上問題はないとの結論が出ました。
当然、現地法人にも受け入れられましたので、すべての子会社に移転価格計算を適用することができるようになりました。

ここがポイント

移転価格文書は一度作って終わりではありません。事業環境の変化に応じて適切にリニューアルする必要があります。ですが毎期、大手税理士法人に依頼することは予算的にきびしく、ずっと以前に一度作ったきりになっているケースも多いです。
移転価格に自社で対応できるようになれば、コストをかけずにタイムリーに移転価格文書のリニューアルができるようになります。

Action2海外寄付金への対応

海外出向者の人件費負担

これまでは人件費全体の8割を子会社負担、2割を親会社が負担していましたが、明確な根拠はなく大きな否認リスクを抱えている状態でした。
子会社の業績への配慮から、親会社が出向者の人件費の相当部分を負担したいという会社の意向に沿って「給与の格差補填」のロジックを活用した改善に取り組みました。
現地出向者の一人ひとりの職務を確認し、現地法人で同じ職務の人に採用したと仮定した場合の人件費を算出し、その金額を超える部分を日本負担とする方式に改めました。出向契約書もそれに合わせて改訂しました。

海外出張旅費・日割人件費の負担

頻繁に海外子会社に出張されており、旅費全額を親会社が負担している状態でした。 可能な限り親会社が負担したいというご意向でしたので、子会社から特に要請があった場合は招聘状を発行の上で旅費実費と日割人件費を子会社に請求し、それ以外の場合は親会社の都合で出張を行った旨を出張報告書にしっかり記載するようお伝えしました。

子会社貸付金からの利息の徴収

子会社に貸付を行っていましたが、金利を徴収していませんでした。そこで金銭貸借契約書を整備し、現地の国債で運用した時の利回りを参考に利息を徴収することにしました。

結果

これらの一連の改善活動を行った後の税務調査において、移転価格文書が整備されていることなどから、移転価格専門官が派遣されることはなく通常の税務調査官の調査で済みました。海外寄付金関係でも大きな指摘事項はありませんでした。
コンサルティングを通じて、自社で移転価格文書のリニューアルができる状態になりましたので、今後も事業環境の変化に応じて適切に対応していただけると考えています。

ここがポイント

移転価格文書が存在せず海外子会社との取引価格をどのように決定しているのか説明できない場合、調査官に目をつけられる可能性が高くなります。
移転価格文書を整備し、毎期改訂することにより、「この会社は移転価格にきっちり対応している」ということをアピールすることが大事です。
海外寄付金については、各項目をひとつひとつ検討し、子会社に請求するものとそうでないものを明確にしていくことが求められます。

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